メソッド屋のブログ

米マイクロソフト Software Development Engineer 牛尾の日記です。ソフトウェア開発の上手なやり方を追求するのがライフワーク。本ブログは、個人の意見であり、所属会社とは関係がありません。

実践的User Experience ワークショップに参加してみた

今、私が一番関心を持っている分野は、Continuous Delivery と Lean Startupです。今日はLean Startup/UXの話しが聞けるということで、
こちらのセッションに参加してみましたのでレポートしてみます。尚、私は英語の勉強をかねているので、同時通訳を聞かずに講演を聴いたのでミスしているかもですが、ご指摘くだされ。

実践的User Experience ワークショップ | Peatix

ちなみに、今日のに近いプレゼンはこれです。本日の方が当然ずっと充実していました。ww


1. Lean Startup

Lean Startup に関しては自分にとってそんな新しい情報は無かった。やっぱりこの本は偉大ということでしょうか。

アントレプレナーの教科書

アントレプレナーの教科書

メソッド屋の私としては、プロセスっぽいところをメモ。

例の4つのフェーズ「顧客発見」→「顧客実証」→「顧客開拓」→「組織構築」のお話。これは本を読んでね。

後、こんなプロセスっぽいのがありました。

1. アイデアを思いつく

2. それをスケッチして、つくってみる(fake it , then make it ←なんかTDDみたい(笑))

 ・何のためのソリューション?
 ・Maryさん(ペルソナ)は何ができる?
 ・Maryさんはどんな機能が必要?
 ・手法がどういう風にフィットする?
  (3-up, page-value pop, wireframes)

↓ それがどうやって正しいって知るの?

3.  実際にやってみる前に確認すること

 ・これは(顧客)にとって優先順位が高い問題か?
 ・ お客様はお金をはらってくれるか?
 ・マーケットの利害関係社は誰?
 ・お金のフローは?

4. プロダクトを出してみて、フィットさせる


他に面白かったところとして、リーンスタートアップの3つの代表的な本


1. アントレプレナーの教科書 (顧客が欲しいプロダクトを作る)
2. Extreme Programming Explained(インクリメンタルなリリース)
3. Lean Thinking(無駄を省く)

XPerとしては2.なのが嬉しいww

他に

The Lean Startup: How Today's Entrepreneurs Use Continuous Innovation to Create Radically Successful Businesses

The Lean Startup: How Today's Entrepreneurs Use Continuous Innovation to Create Radically Successful Businesses

※スライドでは、若干表紙と出版社が違うけどこれかなぁ。


リーンのサイクル

IDEAS → BUILD → PRODUCT → MEASURE → DATA → LEARN → 最初に戻る


UXのサイクル


Think (ジェネレーティブリサーチ、アイデアだし、メンタルモデル、振る舞いのモデル、テスト結果、競合分析)

Make(プロトタイプ、ワイヤーフレーム、Value PROP(これなに?) LANDING PAGE, 経験則、 COMPS コードのデプロイ)

Check(A/Bテスト、サイト分析、ユーザビリティスティング、FUNEL, サインアップ(聞いたけど忘れた)


PDSとかPDCAじゃないところがいいなぁ。

Design > UI

デザインは UIより大きくて、ヒトの事が、デザイン、ソフトウェアの事がUI


LEAN UPの9つの原則

1. Design + Prod. MG. + develpment = 1 product team

デザイナと、プロダクトマネジャと開発者で1つのプロダクトチーム

2. Externilize!

頭の中身を見える化

3. Goal- Driven and Outcome-Focused

 ゴール駆動で、動作するアプリケーションにフォーカスする

4. Repeatable and routinized

繰り返しとルーチン化 (タイムボックスのことかなぁ)


5. FLOW: think/make/check

Think-Make-Checkのフロー

6. Focus on solving the right problem.

正しい問題を解く事に集中しよう

7. Generate many options and decide quickly which to pursue.

沢山のオプションをつくって、決定を迅速にして、ゴールを目指す

8. Recognize hypotheses & validate them.

経験を通じて理解して、評価する

9. Research with users is the best source of information (& inspiration)

ユーザリサーチが最も良い情報(そしてインスピレーション)


Lean UXの習慣


1. Write the test first

テストを最初に書く

 次の文書の()に具体的なあなたのサービスに該当することをに入れてみる

 ・私たちは、(顧客のタイプ)のような人々が、(ニーズ/アクション/(サービスの)振る舞い)を必要としていると信じています。
 ・私たちは、(KPI)に貢献するだろいう(定量的/測定可能な結果)もしくは(定性的/観測可能なプロダクト)によって成功を知る事ができるでしょう。

2. User quote/need as sprint name

スプリントの名前をユーザの言った事や、ニーズにする

3. Wireframe check

ワイヤーフレーム手書き画面スケッチ)で確認する
 ・システムを正確に反映しているか?
 ・どこが使いにくい?
 ・代替え案が何かある?
 ・努力の甲斐があるか?

4. Designer/Developer pairing

デザイナと開発者のペア

5. UX & Product Mgt participate in standup meeting daily

UXのヒトとプロダクトマネージャが朝会に参加する

6. Validation step

評価のステップをもつ


7. Retrospective periodically

定期的な振り返り


ユーザーリサーチ

・評価可能で、定量的
 - キーメトリクス
 - A/B テスティング
- 統計
 - 最適化?

・作成可能で定性的
 - Contextual Inquiry (コンテキストにあった質問?)
 - メンタルモデル Mental Models (Indi Young)/
- インタビュー
 - スターバックス(いっしょお茶するのかな?)

・評価可能で定性的
 - ユーザビリティ

ワークショップ


そして、ここから、ワークショップ。今回はここを中心にご紹介したいと思います。
もろUXのプロセスですね。

我々のグループのワークショップを見ながらどうぞ。今回のネタはハウスキーピング的なサービスです。

1. ペルソナ



おなじみペルソナです。今回のペルソナは、同じチームのスタートアップ企業でバリバリUXをやっているプロの方が書いてくれました。ペルソナのそれぞれの左上にイラスト、他の要素はDemographics(ペルソナの想定した個人情報)、Behaviors(ペルソナがしていることや、こんな事を感じている等(特に不満とか)), Needs&Goalニーズとゴールです。この方は本当に絵がうまかったですわ。


2. トピックマップ


ペルソナに対して、インタビューをこの後行いますが、どんなトピックについて聞きたいかをまとめてみます。質問じゃなくて、キーワードでまとめる方がいいっぽいです。


3. インタビュー

ペルソナの実際の人物に対して、インタビューを行います。樽本さんが教えてくれましたが、ペルソナには3種類あって、実際のユーザーリサーチを元にペルソナを作る元々のペルソナ、想像でペルソナをつくるプラグマティックペルソナ、そして今回のような、想像でペルソナをつくるけど、後でインタビューをして検証するスタイルです。
 通常のペルソナは作るのに時間がかかりますが効果的です。プラグマティックペルソナは想像でしかありません。ロールモデルです。つまりよくしっている人々(社内のヒトとか)のときに使います。リーンスタートアップ企業等の場合は、時間もないので、想像でペルソナをつくって、検証して、インタビューした結果違っていたら修正するというアプローチを取るという感じみたいです。

ちなみに私が一押しのUX本は樽本さんのものです。

ユーザビリティエンジニアリング―ユーザ調査とユーザビリティ評価実践テクニック

ユーザビリティエンジニアリング―ユーザ調査とユーザビリティ評価実践テクニック

さて、インタビューですが、さっきつくったトピックマップを元にインタビューします。

インタビューでするべきこと
・ノートを取ること
・笑顔でいること(親しみやすく)
・オープンクエスチョンできくこと
・彼らのストーリを聞き出すこと
・だまって聞く事に徹すること(インタビュワーは10%ぐらいしかしゃべらないらしいです)

すべきじゃないこと
・あなたのプロダクトについて話す
・プロダクトの機能や振る舞いを訪ねる
・営業する
・誘導尋問する
・沢山しゃべる


インタビューでする質問は
・あなたは○○(ex 子育て)を経験したことありますか?
・もしハイだったら、その事について、話しをきかせてもらえませんか?
・そしたら、その時何がおこりましたか?
・なぜ、あなたはそうしたのですか、どうやったのですか?
・あなたが好きな事、嫌いな事は何?
・もし、魔法が使えたら、あなたのどうなってほしいですか?


最後の質問はミラクルクエスチョンのようですねww


さて、こんな質問をして、インタビューをメモを取ります。今回は議事だったので、大変でした。



4. ペルソナの修正と、インタビュー結果の分析

 インタビューの結果をペルソナに反映して、インタビューででてきたことを分析します。

1. とりあえず、気づいた事を書き出します。

・何を聞いたか?
・何を見たか?(ボディランゲージなど)
・目立ったことはないか?

2. ソートと分類
・同じようなアイテムを集める
・グループにラベルをつける
・重複を整理する
・傾向をメモしたり、例外を考える


5. 6コマ漫画

 6コマのマスをつくって、ペルソナに対して、あなたのプロダクトがどんな事をしてくれるか書きます。私もアイデアを出してみました。


ちなみに他の人が書いたバージョンが素晴らしすぎるのでアップ


このあと、投票して実施するサービスを決めました。発想のプロに混じっても、私のアイデアが採用されて内心嬉しかったっすww


7. ストーリの抽出

 ここからはストーリの抽出です。ワークショップではありませんでしたが、ユーザストーリマッピングとかすればいいですね。


てなかんじのセッションでした。ワークショップの6コマ漫画とか、ペルソナの使い方(インタビューを後でする)とか面白かったですわ。


後評価のところで、ユーザビリティスティングが重要という話しと、A/Bテスティング複数の代替え案を実際にリリースしてみて、反応みてデータとって、どうするか決める)もかなり強調されていましたね。


今回のセッションに参加して


今、自分の興味のど真ん中のLean Startup/UXのセッションにできてとても面白かったです。しかも、参加者のヒトがむちゃくちゃ前向きでエネルギーに溢れる人が多くてとても面白かったです。いつものアジャイル系の人脈とは大きく異なる方々でした。

私の横にいたのが、一人はLean Startupをしている人で、このカンファレンスを開催している会社さんがやっているスタートアップコンテストで1位になった広告代理店の方、そしてそのサービスを作っている人だったり、Webサービスをやっている人、UXをバリバリやってる人、英語が出来へんのに、シリコンバレーに突入して、RoR+Designを操る人。。。ホンマおもろい。
昔は「起業」というとおっさんになってからというイメージがありましたが、会場全体が若くて、起業している人がおおいことにとてもびっくりしました。そして、起業といってもリーンスタートアップの起業のスタイルは普通の起業イメージではありません。


例えば私の横に座っていた人はこんなリーンスタートアップ起業でサービスをコーディネイトしていました。私も使ってみましたがとてもいいサービスです。面白い!!!
どんなサービスかというとTwitterでつながっている人に、ちょっとしたお礼をするためのサービスです。これいいですね。皆も試してみて!


ソーシャルギフトのgiftee(ギフティ) | ソーシャルギフトサービス


しかし、こんないいセッションと、多くの人との新鮮な出会いの場を提供してくださった、開催会社様に大感謝です。


では、次の要望の多いブログ書きますww