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メソッド屋のブログ

米マイクロソフト DevOps エバンジェリスト 牛尾の日記です。ソフトウェア開発の上手なやり方を追求するのがライフワーク。本ブログは、個人の意見であり、所属会社とは関係がありません。

英語(言語)の習得は、コンピュータ言語の習得に似ていないと思う

英語

あくまで個人的な意見なのですが、本日の記事を受けていろいろコメントを頂く中で、英語学習に関する気づきがあったので、ここに書いてみたいと思います。



赤ちゃん派と、頭脳派の学習スタイル



現在ITProで連載をしています、今回は「アジャイルの流儀で英語に挑戦! - [英国編3]あなたは頭脳派?それとも赤ちゃん派?:ITpro」という内容でした。今回のポストはこの記事を読まれている前提で記述させていただきます。


これは、前回のポスト「アジャイル的英語勉強法テロ書籍の発売の裏話について - メソッド屋の日記」 と同じく、英語勉強法の2つの流派について説明したのと、イギリスでの気づきを書いた内容でした。


私は前回のポストで赤ちゃん派英語勉強法(このブログでは勝手にアジャイル派と呼んでいますw)はまだあまり知られていないが効果的なので広めたいという思いがあるという話しを書きました。今日は、英語学習のメタファーについて考えてみたいと思います。英語のトークに関しては日本人は弱い傾向にあると思うのですが、特に私含めたエンジニアは特に苦手な傾向にある気がしています。しかも、エンジニアの中には読み、書き、文法、語彙は問題ないが話すのだけがなぁ、、、と行っておられる方もいます。実際に彼らの英語力はたいしたものだと思います。しかし、なぜ話すのだけが上手く行かないのだろう、、、。


優れたエンジニアは、論理的な思考を好む


 ここからは私の想像でしかないのですが、優れたエンジニアであればある程論理的な思考を行い、正確に内部の動作なども含め理解する事に長けていると思います。


 この能力は例えばコンピューター言語の習得にはとても重要な事です。私もコンピュータ言語を学ぶときは、定義を正しく理解しようと頑張りますし、自分が書いたコードは一行一行全て意味を理解した状態でないとコードを書かないようにしています。


 一方英語はというと、同じ言語なのですが、傾向が異なります。私は「コンピュータ言語」よりも「音楽」の練習に非常に近いと感じています。



英語学習のメタファは音楽の習得



 コンピュータ言語を習得する場合に、正確な理解が特に必要だと思います。意図通りに動いてほしいので曖昧さは極力排除したいです。一方英語等の言語は、非常に曖昧さを含んでいます。これは人間とコミュニケーションをとるものなので、言語自体も日本語よりずっと論理的とはいえ多くの「曖昧さ」を含んでいます。例えばinsaneとか普通だとネガティヴな意味ですが、Rockの文脈だと、Coolな意味合だったりもします。音楽の場合は、同じように「理論派」と「感覚派」が存在して、理論派は楽譜を読んで、音楽理論を勉強したりします。感覚派は人によってはコードすらもしりませんが、素晴らしい演奏をしたりもします。「理論派」の人はクラシック、ポピュラー、フュージョン、Jazz等に多く、「感覚派」の人はブルースやロックに多い感じです。しかし、100%の理論派、感覚派は少ないです。どっちかに軸足がある感じが多いのではないでしょうか?


 「感覚派」が多い音楽はコードのバリエーションが少ない傾向にあり、「理論派」は一つの音の味わいに欠ける傾向にあります。(私の赤ちゃん派、頭脳派と似た感覚です)そして、大抵の音楽をやっている人が言う事に「結局耳の良さが重要」という事があります。だから、バンドをやっているときも、楽譜を見ず、「耳コピ」を練習する人の方がうまい演奏をする確率が高かったです。「理論派」でもイヤートレーニングというものもあり、ネイティヴスピーカーは例えるならば「絶対音感」の持ち主で、我々は「相対音感」なら習得可能な感じでしょうか。演奏を「録音する」というのも非常に重要なことです。また、コンピュータ言語なら間違った記述があって、それがまともに動いたら「バグ」ですが、音楽なら、それが音楽理論上間違っていても、音が外れていても、カッコいいならOKという事もよくあります。ブルーノートとか顕著ですね。だから、英語学習のメタファーは、「音楽の練習」がしっくり来る気がします。音楽を沢山聞いて、真似して、時に理論を学んだりするけど、まずは重要なのは「耳」。楽譜を見るだけじゃなくて実際演奏する事ですね。
 


赤ちゃん派/頭脳派の両方を行き来する



 私のITにおける絶対的英語師匠の1人の原田さんが私の書いた「赤ちゃん派」「頭脳派」の話しでいいコメントをしてくれました「Learn by Examples と Learn by Rules 結局はどっちもいるんじゃないかな。なんでも。」確かにそうだなぁととても実感しました。私は「赤ちゃん派」で徹底的に英語を鍛えてきましたので、その弱点もしっかりと持っている状態です。ですので、最近は「頭脳派」のプラクティスも実践しています。



 一方日本の英語教育は徹底的に「頭脳派」で今はわかりませんが、私が学生だった頃はほぼ「音」の要素や、「赤ちゃん派」の要素、つまりネイティヴの赤ちゃんのように「英語を大量インプットしてそれを真似する方法」は甘く見ている感じでした。きっと多くのエンジニアの人は「頭脳派」のほうがしっくり来ると思います。それがエンジニアに必要な能力だからです。しかし、英語の言語の習得でいうと、「頭脳派」のプラクティスだけでは例えば「ペラペラ」と喋る事にかんしては、向こうにしばらくいるとか、ネイティヴと常に接する機会があるとかないと結構厳しいと思います。



 今回私が書籍を書いたときに思った事の一つは、こういった「赤ちゃん派」の英語学習法をもうちょっとエンジニアでも親しんでもらえるように体系立てられないか?ということで、アジャイルマニュフェストや、アジャイルのプラクティスの組み立て等を参考に整理したものなのです。アジャイルもそういったエンジニアが「人」の要素。つまり「曖昧さ」を含む要素を体系立てるために、プラクティスや原則に整理されている面があると思うのです。これは私の思い込みかもしれませんが、そういった英語等の言語のもつ「曖昧さ」を少しでも論理的に説明できないかと思ったのでした。



曖昧さへの耐性



 最近英語の読みのスピードアップをしたくて、次のような本を買いました。


ネイティブみたいに読む!英語「快読」トレーニング

ネイティブみたいに読む!英語「快読」トレーニング



 私とは考えの違うところもありますが、とてもいい本だと思います。快読メソッドはもちろんの事、口語と文語の必要語彙の分類なども非常に興味深かったです。英語なんて結局できれば方法はなんでもいいですから。そして、その本に載っていた言葉で面白い事がありました

1970年代にある言語学者が「優れた言語学習者とはどのようなものか」という研究を行い、tolerance to ambiguity(曖昧さへの耐性)を持った人だという結論を出した


という事が載っていました。



エンジニアが曖昧さを克服するために



我々エンジニアは基本的には曖昧さを嫌います。それはとても重要な素養です。しかし英語の習得に関してはこの曖昧さを乗り越える必要があります。だから、私はその「曖昧さ」のプラクティスの部分を5つの原則に分類して、具体的なプラクティスを整理しました。それが、前回の連載のこの記事です「アジャイルの流儀で英語に挑戦! - 第3回 英語が身につく五つの原則:ITpro」音のプラクティスは一部連載で書きました「アジャイルの流儀で英語に挑戦! - 第2回 なぜみんなペラペラにならない?:ITpro


プラクティスに関しては細かすぎるので本に書いていますが、以前のポスト「IT英語勉強カンファレンスで話した - メソッド屋の日記」も参考になると思います。


私の私見では、特に音声がらみやトークに関してはこういった「赤ちゃん派」のプラクティスが必要になってきます。そしてそれってとっても重要だし、むちゃくちゃ効果的です。だから、皆さんもよかったら是非挑戦してみてくださいね。そして、もしよかったら、私の書籍も参考にしてみてください。記事やブログそして、私の書籍が少しでも英語の学習で対面する必要がある「曖昧さ」を乗り越えるためのヒントになれば幸いです。



もちろんこのブログでも赤ちゃん派で育った私がどう工夫して行ったとか、どこがデメリットだったかとか、どういう部分で無駄をしたという話しもアップしていきたいと思います。



ITエンジニアのゼロから始める英語勉強法

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