メソッド屋のブログ

米マイクロソフト DevOps エバンジェリスト 牛尾の日記です。ソフトウェア開発の上手なやり方を追求するのがライフワーク。本ブログは、個人の意見であり、所属会社とは関係がありません。

Agile2011レポート〜セッションのまとめ〜

無事Agile2011への参加、講演を終えて日本に帰ってきました。一気に書ききれませんが少しずつブログに書いて行きたいと思います。


プライベートな事はmixiに書いていますが、ここでは技術的な内容米国と英語について書いて行きたいと思います。


大体、受講したセッション、米国の文化と英語のはなし、自分のセッションとダンスなんかについて書いてみようと思います。ダンスはおまけですが(笑)


前回の2003年のAgile2003は随分楽しめた記憶がありますが、今回はそうではありませんでした。なぜなら自分のセッションがあるので、現地でも自主練の毎日、そして鬼教官 @haradahiko の突っ込みももちろん飛んできます。大変ありがたいけど、死にそうで、とても楽しめる感じではありませんでした(笑)しかも自分のセッションはセッションのある最終日ですから、、、


今回は特にContinuous Deliveryに興味津々。あとはAgile+UXが狙い。セッションが多かった心理学系のセッションは興味がありませんでした。なぜなら私は2007年は1年みっちり心理系をやって、そっち系の人の凄さを思い知ったのと、心理系の技術は、「使って練習すること」こそ本当に重要で時間がかかる事と思ったからです。今の私にとっては、新しい知識よりも、実際に使ってみることの方がよっぽど重要という状態だからです。

さて、余談はさておき、自分が出たセッションを紹介。


8/8


Enterprise Agile Visioning and Learning – from the Organization to the Person: Jean Tabaka, Julie Chickering


Agile2011: Schedule


みんな絶対Robert Martinのセッションに出ると思ったので違うのをチョイス。ところが、コレが悲惨の元。
セッションはとても面白そうでした。しかし、はっきりいって内容が全然わからん。なぜなら彼女のプレゼンは「Presentation ZEN」スタイル。つまり、プレゼンには絵とか、1文しかないスライドで殆どトーク。しかも、自分の知らん分野のボキャブラリなんかあるはずも無く、最後にワークショップが始まったけど、何やったらええかわからん感じ。もう速攻出てきました。Presentation ZENに生まれて初めて殺意を覚えました。


内容はこれらの本の中身をピックアップしてるみたいなので、参考に読んでみます。彼女はORIDモデルを紹介していました。

これはThe Art of Focused Conversationに出てくるアプローチみたいです。ORIDは、タマネギの皮を向くように、我々の反応(行動)の根本にあるものを探るためのモノっぽいです。(ちゃうかもしれません)

Objective -- 「WHAT」 の上にあるものをゼロベースで引き出す質問(翻訳適当です)
Reflective -- 我々の反応や感情、そして「GUT」が何から生まれてくるのか引き出す質問
Interpretive -- 我々が情報や反応を得たら、それが自分たちや、自分たちの状況にどう意味があるのかを知る。「So What」
Decisional -- これらの理解から、次にどういう行動をとるか?「NOW WHAT」

とからしいです。これらのセッションはまだ自分の英語力ではきついようですから、ボキャブラリを増やすべきですね。

The Art of Focused Conversation: 100 Ways to Access Group Wisdom in the Workplace (ICA)

The Art of Focused Conversation: 100 Ways to Access Group Wisdom in the Workplace (ICA)

Gamestorming: A Playbook for Innovators, Rulebreakers, and Changemakers

Gamestorming: A Playbook for Innovators, Rulebreakers, and Changemakers

Game Stormingは日本語がでてるっぽい。


Introduction to Agile Planning and Project Management: Mike Cottmeyer
Agile2011: Schedule

次に出たのがこのセッションです。Scrumでは、プロジェクトマネージャはスクラムマスタになるから、その役割はなくなるという意見がありますが、その意見に私は反対の立場を取っています。そこには2つの理由があります。まず、アジャイルで説明されている領域は、プロジェクトの全ての領域をカバーしていないこと。また、その領域をチームがカバーするとするとあまりに効率が悪い事(例えば経営マネジメント、利害関係者調整、契約毎、チームの開発場所の手配、インフラ、はてはプリンタ用紙やトナーの手配なんかも、、、)中にはそのスキルの獲得が大変なこともありますし、そんな事をしている暇があれば違うスキルを高めた方がチームのためには良いと思います。また、私は全てのテクニックはトレードオフがあると思っており、全てのサイズに適用できる万能の手法はあり得ないと思っています。もちろん自己組織化や多能工は素晴らしいし、チームはできるだけそうあるべきと思っていますが、そう毎回うまく使えるというケースじゃないこともあるからです。


さて、自分の意見はさておき、そんな理由でまだ未開拓の「アジャイルマネジメント」には興味があります。ここでは、経営レベルのマネジメントから含めた新しいカンバンのスタイルが紹介されていて、それがとても印象的でした。


アジャイル界の要求は、その粒度からEpic - Feature - Story という3段階に分割されます。Epicは1-3 monthで実行される単位。中期計画で立案される戦略のレベルといっていいでしょう。 Featureは2-4 weekで実行できる単位。主にStoryをサマリしたものと考える方がいいかも。PMが管理するのはここまでです。ここからはチームのマターです。Storyはweek以下とこの人は定義していました。さらにStoryはタスクに分割されます。

通常のカンバンは、タスクのみですが、タスクが終わってどのストーリが終わったか、ストーリが終わることによって、どのFeatureが終わったか、そして、Featureが終わった事により、どのEpicがどのフェーズにいるか?等が一目で分かります。

あまり大きな会社ではスケール上使えないかもしれませんが、より上位の要求や戦略まで見える化できるツールとしてとてもおもしろいと思います。


また、通常のPMとアジャイルのPMの違いを端的に表現した図が上記のものです。どういう事か?というと、通常のマネジメントはコミュニケーションハブと言われます。つまり人と、人のコミュニケーションを促進する役割を持っています(とりわけ、上と下のという性質が強いですが横の関係もそうです)アジャイルのPMの場合、少なくともチームの個人どうしはそれぞれ自分で会話するので、その状況ができるようにいろいろな事をやって促進するのがアジャイルのPMという感じです。これは確かにその通りだと思います。その状況を作るために昔からあるPMツールもいろいろ使えると思います。

そして初日の最後



The Transformation Priority Premise: Robert Martin

Agile2011: Schedule


うーむ。これはとてもいいセッションでした。出るつもりは無かったのですが、私に話しかけてきたカナダギャルが美人だったので、彼女が出ると言ってたので出てみました。
Robert Martin氏と一緒に公開ペアプロをしているかのようで、これは日本では味わえません。おなじみのボーリングゲームとかをTDDして行きますが、彼のリファクタリングテクの細かい技がみれたり、彼がInteliJを使っていてそっちの方がEclipseよりリファクタリングが早かったりいろんな発見がありました。友達になったKenと一緒にプログラミングしていきます。

そして、彼のいいたいことですが、彼はTDDをレクチャするために、この方法を考えているみたいで、普通リファクタリングは振る舞いを変えずに中身を変えますが、トランスポーテーションは、振る舞いを変えて行くやり方です。それにはいろんなパターンが定義されています。面白いところでは、関数型言語にも言及がある事です。今後は、マルチコアの時代ですからマルチコア対応のアプリケーションの作りやすさというのを考えると副作用の無いプログラムが作れる関数型言語は魅力的です。興味のある人は是非彼のブログを見てみてくだされ。ここに、トランスフォーメーションの定義やパターンも乗っています。

Good night, Posterous

Clean Code: A Handbook of Agile Software Craftsmanship (Robert C. Martin Series)

Clean Code: A Handbook of Agile Software Craftsmanship (Robert C. Martin Series)

さてさて、1日目だけでこんなに書くのかかるとは、、、もうエネルギー切れ。この後はまた今度。