メソッド屋のブログ

米マイクロソフト Software Development Engineer 牛尾の日記です。ソフトウェア開発の上手なやり方を追求するのがライフワーク。本ブログは、個人の意見であり、所属会社とは関係がありません。

アクセントの練習とAgile2011サブミッション

Agile2011への道の続きです。とうとうAgile2011へのサブミッションの提出を行い、アクセントを学んでいろんな事がわかりました。


Agile2011サブミッション提出


とうとう出してしまいました。http://submit2011.agilealliance.org/node/9964 私の紹介もhttp://submit2011.agilealliance.org/user/6116ミルズさんもレビューして、当日通ったら手伝ってくれるといってるし、原田さんも素晴らしいアドバイスをくれました。またてつ。さんもレビューしてくれるみたいです。本当にありがたい限りです。


 このサブミッションの戦略は、「今自分が言いたい事」ではなくて、「Agile2011に来る人にとって価値のあるもの」という基準でネタを選びました。オブジェクトゲームは向こうでは無いはずですので、自分の実績のあるオブジェクト脳化の必殺技のネタを選びました。Agile開発が本当に変化に強くなるためには、リファクタリングテスト駆動開発等の進化型設計及びその基礎であるソフトウェアエンジニアリングの能力が必要ですが、特に日本ではオブジェクト指向プログラミングがちゃんと出来る人が少なかったので、2006年に私が開発したメソッドです。自分で言うのもなんですが強烈な効果です。プログラミングをすることなく、新人から社長さんまでどなたでも、「これで、オブジェクト指向のメリットや、アーキテクチャや振る舞いがわかった」と言わしめたものです。試しにアシスタントさんにもこれで説明したらわかってもらえましたww


 海外にはこれに似たネタがあるかわかりませんが、ミルズさんも面白そうと言っていたので、まずは一つ目のネタとしてこれをチョイスし、タイトルにも向こうでHotなカタカナを使い、講演者紹介では、ハラキリ写真を採用していたら、原田さんが、BioにAgile Samuraiって書こうよっていってきたので、素晴らしいアイデアと思い採用しました。講演タイトルに「必殺」って入っていて、BioがConsultant & Samurai of Agileで、写真がハラキリなんて、日本人にしか出来ないジョークですわ。講演してきもちいいところを想像して感じて引き寄せるようにしますか、、、


アクセント練習


私は今はAmerican Accent Trainingという本でアクセントや発音の練習をしています。UDA式で単音の英語の発音を学んだので、次は単語レベルや文レベルにトライしています。特にリダクション等の音の省略や変化が聞き取れないと、向こうのネイティブの講演は聞けないので、がんばって練習しています。


American Accent Training (American Accent Traning)

American Accent Training (American Accent Traning)


この本は、説明もCDに入っていてとても嬉しい本ですが、今回は元々リダクションや音の変化の部分のみについて練習するつもりでした。ところが行き帰りの通勤で説明CDを聞いていると恐ろしい事がわかったのです。それは


英語の場合、アクセントで意味が変わる


ということです。この教材の構成は「イントネーション」「音をつなげる/音声変化/リダクション」「発音」といった構成になっています。日本人の感覚なら、「発音」が最初にありそうなのに、なぜか最初に「アクセント」や「イントネーション」を練習することになっています。不思議やなぁ、、、とおもったけど、それもそのはず、、、ネイティブには、発音の正確さももちろん重要ですが、それ以上に「イントーネーション」とか「音をつなげて発音する」という事がネイティブが聞き取れるためには重要らしいのです。しかも、アクセントで「意味」がかわってしまうので、それが聞けないと、発音できないと意味が無いみたいです。(本当か今度グレッグに聞いてみます)今回は「アクセント」でどれぐらい意味が変わるかの例がのっていたので、説明してみたいと思います。



単純なアクセントで意味が反対になる例



[VOON] Pretty


How did you like the movie? It was pretty good.


この英会話を聞いてください。とても簡単なものですが、答えの文を書くとまったく同じ文面ですが、意味は反対です。prettyにアクセントがあるか、goodにアクセントがあるかで意味が反対になります。



How did you like the movie? (あの映画どうやったかね?)
It was pretty good.(よかったで!)
It was pretty good.(微妙やな。)



という感じです。こんなレベルで意味が反対になるとしたら、先方が言ったニュアンスと反対の意味で理解してしまうかもしれません。恐ろしい話しです。私は学校教育で何年も英語をならってきましたが、知りませんでした。


これと同じ事が文にも起こります。



アクセントで意味が変わる例



[VOON] IdidntsayHeStoleTheMoney



I didn't say he stole the money.(私は彼が金を盗んだとは言ってません)


と言っているのですが、これのアクセントの違いで、皆みんなニュアンスが違います。


I didn't say he stole the money.(私が彼が金を盗んだといったのではなく、他の人が言った)
I didn't say he stole the money.(彼が金を盗んだというのは、全くのデマです)
I didn't say he stole the money.(私は言っていません。そういう可能性があるといった程度です)
I didn't say he stole the money.(彼ではなく、他の人が金を盗んだのです)
I didn't say he stole the money.(彼が盗んだのではなく、多分借りただけだと思います)
I didn't say he stole the money.(そのお金を盗んだんじゃなくて、他のお金を盗んだ)
I didn't say he stole the money.(お金を盗んだんじゃなくて、宝石とかを盗んだ)


これはワインバークさんの本でも指摘されていた事ですが、アクセントによって意味が変わるのです。日本語で同じ事をやっても、確かに意味はかわります。(下記の音源)しかし、芝居でもない限り、普通は日本語はあまりアクセントが強くつきません。フラットにしゃべるはずです。しかし、英語の場合は常にアクセントがついているのですから、特に通常のアクセントじゃない場合は、ニュアンスが異なることを意図して相手はしゃべっているはずなのです。


[VOON] IdidntStole日本語


つまりまとめると、日本人はあまり意識しない「アクセント」でこてこてに意味が変わったり、ニュアンスが変わるのが英語です。そしてきっと講演とかでもそのことがきっと頻繁に起こっていることが想像できます。まず日本人の英語学習者にできることは、まず「アクセント」を意識する、聞きとるように努力することが必要かとおもいます。こういうことを考えていると、英語の学習はややこしい文法とかそんなのよりも、やはり「発音」や「イントネーション」「音の連結やリダクション」が重要だと思います。やっぱり学んでいるからには、「現地の人と簡単な会話ができる」が一番スタートポイントじゃないでしょうか?それを考えると、ややこしい文が読めるよりも、簡単な会話が理解できていえる事から始めるのが自然だと私は感じました。