メソッド屋のブログ

米マイクロソフト DevOps エバンジェリスト 牛尾の日記です。ソフトウェア開発の上手なやり方を追求するのがライフワーク。本ブログは、個人の意見であり、所属会社とは関係がありません。

山を見たことのない子供

あるところに、今まで山を見たことのない子供がいました。


ある家庭に育った太郎君は言いました。


太郎:お父さん。山ってどんなものなの?
お父さん:山はね、周囲よりも高く盛り上がった地形や場所のことを言ってね
       、平地と比べ、傾斜した地形から成るものなんだよ。
太郎:全然わらないよ。どんな色なの?
お父さん:そうだなぁ。緑のものもあるし、先の方が白くなっているものもあるし、
       茶色いいろのものもあるね。真っ白なものもあるかなぁ。
太郎:・・・。じゃぁ、山って高いの?
お父さん:高いのもあるし、低いのもある。低いのだと6mぐらいしかない。
太郎:う〜ん。なんか、これが「山だ」って言えるものはないの。
お父さん:あるよ。正しい「山」であるためにはには


   山の裾野と傾斜がともに以下の3つの法則をみたして


1. (return x) >>= f == f x
2. m >>= return == m
3. (m >>= f) >>= g == m >>= (\x -> f x >>= g)


  あ、そのまえに、継手と言う概念もわからんといけないね。あとは、数学を
  やらないと、厳密には山を理解することはできないんだ。


太郎:…。


 太郎君は、山の事については二度とお父さんに聞かないことを決心しました。



違うところに次郎君がいました。彼のご家庭でも同じ質問があったようです。



次郎君:お父さん。山ってどんなものなの?
お父さん:あのね〜山ってね、緑色で木がたくさん生えているよ。高くて、登ると 
      とっても気持ちがいいんだよ!
次郎君:へぇ〜。山に登ったら楽しい?
お父さん:もちろんさ。
次郎君:じゃぁ山につれていってよ。
お父さん:いってみるかい?


お父さんは次郎君を近所の山に連れて行きました。


次郎君は大喜びです! 


次郎君:山って高くて、緑で、登るととってもきもちいいね〜!
お父さん:そうさ。楽しいだろ?山って高くて、緑もきれいで、僕も好きだよ。


ある日、次郎君が帰ってきてお父さんに話をしてきました。
次郎君:お父さん。友達がね、山は緑色とはかぎらないっていってたよ。
お父さん:そうだよ。この前上った山は緑だったけど、実は緑以外にも
       いろんな色の山があるんだよ。
次郎君:へぇ〜。じゃぁ、違う色の山にも登ってみたいなぁ〜。


またある日次郎君がお父さんにききました。


次郎君:なんか山って高いとおもってたけど、6mぐらいのやつもある
      みたいなんだけど、本当なの?
お父さん:そうだね。大阪の方には、6mぐらいの山もあるみたいだよ。
次郎君:へぇ〜。


 そのうち、次郎君は、地質学者になって、山はどのような定義かの
数式も理解できるようになりました。


次郎君:ちなみにお父さんはなんで、最初から
      いろんな山があることを言ってくれなかったの?
お父さん:じゃぁ、最初から、山っていうのは、高いものもあれば低いものも
      ある、白いものもあれば、そうでないものもある、、、そして、
      その「正しい定義」をお父さんがしゃべっていたら、山に遊びに
      行く気になったかな?
次郎君:多分ならないだろうね。いやんなるだろうね。
お父さん:そうだよ。人間には、間違いを修正する能力があるんだ。例えば、
      次郎だって、赤っちゃんに「正しい日本語」でしゃべるかな?
      最初は「ばーばー」とか「正しくない日本語」をしゃべってるけど
      それでいいんだ。そのうち分かるから。
次郎君:でも、それって正確じゃないんじゃないの?
お父さん:そうだよ。重要なことは「一歩を踏み出して、自分でもできる」という
       気持ちになることだよ。最初に「山」を自分で実際に見たから、
       他の「山」の理解も簡単になるんだ。実物をみて、山の楽しさを
       知ることができれば、最初に聞いてたものと違っていても、人間
       は理解できるようになっているのさ。
     

記事には、「正確に」伝えるというリファレンスのような目的をもったものと、
「ある特定のレベルの人に気づきを与える」ような目的をもったものがある。
要は、「なんのために」ということだ。


次郎君に対して、「君のお父さんが言っている山の定義は間違っている
から、話は聞かない方がいい」と言うことははたして、次郎君のためなん
だろうか?


きっと僕だったら「そうだね〜。山の事がわかってよかったね。凄いよ!。
ちなみに、緑じゃない山もあるんだけど、興味ない?」といういい方をする
かな。