メソッド屋のブログ

米マイクロソフト Software Development Engineer 牛尾の日記です。ソフトウェア開発の上手なやり方を追求するのがライフワーク。本ブログは、個人の意見であり、所属会社とは関係がありません。

孤島に持っていくべき10の本

私の大好きなワインバーグさんのブログにこんなエントリがあったので、

自分はどうなんだろうと思って書いてみました。

本当にそうなったら次の10冊を持っていくかは微妙だけど、どっちかというと
当時読みまくった、悪戦苦闘した思い出の品という感じです。

なんと、10冊しかないのに3冊もワインバーグさんがランクイン。

コンサルタントの道具箱

コンサルタントの道具箱

初めてワインバーグさんに出会った本。

ソフトウェア関連の本で初めて「心」をつかまれた気がする本。まさに衝撃だった。

やる価値の無いことは、きちんとやる価値もない

これを読んだ時の衝撃ときたら。。。

差なし+差なし+差なし…はいつか大きな差になる

これは今も心にずっと止めている言葉です。

クリスマスプレゼントに、金づちをもらったこどもは何でも叩きたがる

あるある、よくある、おれもある。

昔は、オブジェクト指向や、アジャイルって金づちで何でも叩いていたなぁ。

ある意味人生を変えた一冊。コミュニケーションの「やりとりのモデル」と
リーダーシップのためには「自尊心」が必要という記述。ここで出てきた
家族療法士ヴァージニアサティアの自尊心を高めるワークは自分の自己否定感
をかなり改善した。そして、人を助けることに「自尊心」がどれだけ大切かに
気づくきっかけになった一冊。技術というよりも「心」。

自分の心理好きのルートかも。いつかワインバーグさんみたいなコンサルタントになりたいなぁ。

コンサルタントの秘密―技術アドバイスの人間学

コンサルタントの秘密―技術アドバイスの人間学

私が勝手に3部作といってる名著の中でもベスト。本当に何回読んだことか。

コンサルタントは10%以上改善してはいけない。(10%以内なら人は、問題なしと考えるから)

トレードオフ療法

 常にトレードオフを考える。「良い」「悪い」じゃなくて「トレードオフ」これでかなり
頭が柔軟になった…と自分では思ってるんだけど(笑)

それがどう見えようとも人の問題

これは本当にそうだなぁ。と思う。そして、「今」見返してみて昔は引っかからなかった言葉が
響いた

やりかたを知っていても、潮時をしっている時ほど儲からない

ほんま、読むたびに発見があるなんて本当に凄い本。何回読んでると思っているんだ!

リファクタリング―プログラムの体質改善テクニック (Object Technology Series)

リファクタリング―プログラムの体質改善テクニック (Object Technology Series)

  • 作者: マーチンファウラー,Martin Fowler,児玉公信,平澤章,友野晶夫,梅沢真史
  • 出版社/メーカー: ピアソンエデュケーション
  • 発売日: 2000/05
  • メディア: 単行本
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自分が独学でオブジェクト指向が「なんで便利か」が体感として理解できた本。リファクタリング
の本論とは違うけど、こいつのおかげでオブジェクト指向プログラミングのセンスが身に付いたと思
います。実は「オブジェクト脳のつくり方」もこれがヒントになっている。

XPエクストリーム・プログラミング入門―変化を受け入れる

XPエクストリーム・プログラミング入門―変化を受け入れる

  • 作者: ケントベック,Kent Beck,長瀬嘉秀,テクノロジックアート
  • 出版社/メーカー: ピアソンエデュケーション
  • 発売日: 2005/12
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本当はこれじゃなくて初版がよかった。というか、本当は平鍋さんのページを持っていきたい。
日本で初めてXPが始まったすべてはXP-jp。自分の中では少なくともそう。藤野さんが言った一言で
自分の人生も変わった。

[rakuten:book:11092361:detail]
これは持っていく本じゃなくて、おまけ。XPJUGの関西の仲間と書いた最初の一冊。

受験は要領。これは技術書じゃないけど、偏差値が非常に低かった私が、人生を逆転させて大学に合格することが
できた本。何事にも自信が無かった私が「努力の方向が間違っていた」と気付いた本。能力がひくくても、
「方法」が良ければ上手くいくケースもあるということを初めて知った。今も大好きな和田さんの本。

「数学はまる暗記せよ」この一言が本当に衝撃だったが、「既成概念」にとらわれないことの意味を教えてくれた。

「東大に合格するために、する最初のことは東大を目指すこと」結局やらないと、何も始まらない。どんな賢い
ひとだってそうなんだなぁ。とおもって勇気をもらえた。

 その他にも、極めて戦略的な勉強の仕方が書いてあって、「やり方」って本当に重要でパワーを持つという
事を知った。今のメソッド好きにもつながっているかも。

ユースケース実践ガイド―効果的なユースケースの書き方 (OOP Foundations)

ユースケース実践ガイド―効果的なユースケースの書き方 (OOP Foundations)

コバーンさんの本当にいい本。実はわたしは、ユースケースは「実践」ではほぼほぼ使わない派。だけどこの本は
本当にいい本。コバーンさんを京都に案内したときに、彼がイラストとサインをくれた思いでの本。

青春やなぁ。

英語は絶対、勉強するな!―学校行かない・お金かけない・だけどペラペラ

英語は絶対、勉強するな!―学校行かない・お金かけない・だけどペラペラ

この本も「既成概念」のぶち壊し方を教えてくれた本。「意味を理解する」「単語を覚える」という従来
王道だったスタイルをあっさりぶち壊した本。

 ・英語を英語のまま理解する
 ・発音を真似て、シャドーイングする
 ・1.耳を開く、2.書き取る、3.英英辞書で意味を調べる…という意味の理解がずっと後に来るプロセス
 ・赤ちゃんが言語を学ぶプロセス

「今」の常識になってることもあるけど、当時はこんなことを言っている人は誰もいなかった。今はこれ
よりいいメソッドがあると思うけど、当時は衝撃だった。この既存概念のぶち壊しかたはオブジェクト脳や
その後のメソッドの参考になっている。

UML モデリングのエッセンス 第3版 (Object Oriented SELECTION)

UML モデリングのエッセンス 第3版 (Object Oriented SELECTION)

自分の青春?の本なので、オブジェクト指向系が多いなぁ。とても深くていい本。当時何回もよんだけど、
ぼんやりとしかわからんかった。でもこの「摩訶不思議さ」というか、わからないところが、謎めいていて
できたら凄い奴になれるんやろうなぁ、、、、なんて夢があった。

アナリシスパターン―再利用可能なオブジェクトモデル (Object Technology Series)

アナリシスパターン―再利用可能なオブジェクトモデル (Object Technology Series)

  • 作者: マーチンファウラー,Martin Fowler,堀内一,友野晶夫,児玉公信,大脇文雄
  • 出版社/メーカー: ピアソンエデュケーション
  • 発売日: 2002/04
  • メディア: 単行本
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本当は洋書の方がわかりやすいから、そっちを紹介したいけど、初めはホンマさっぱりわからんかった。
日本語訳も意味不明やから英語で読んだ方がまし(訳者の人の問題ということではなくて、英語−日本語の
翻訳の難しさだと思う)初めて「勉強会」に参加した本。それぐらい分からんかった。3章の知識レベルと
操作レベルの話は、インターネットでUMLで書いてあるものを探してオブジェクト図を死ぬほど書いて
やっとこさ理解した。でも、実戦で使う場面は当然無かった(笑)

でも、最初にオブジェクト指向に取り組み始めたときに「わからなさ」「摩訶不思議さ」加減が本当に
面白かった「わかったら、悟った技術者になれるかも」みたいなね。

振り返ってみると、最近の本で、むっちゃ面白かった本とかあるけど、10冊となるとお勧めというより
想い出の本ばかり。他の人がどうなるのか観てみたいなぁ〜。